同人とは、同じ趣味・志を持っている個人または団体。(同人誌即売会などでの発表を想定して)同人誌や同人ゲームなど同人作品を製作するために結成された団体については同人サークルという。

同人の対象
文芸の同人
明治時代の頃、同じ趣味や志をもった仲間同士が集まって、同人雑誌というものをつくっていた。日本で確認できている中で最も古い同人雑誌は、小説家・尾崎紅葉らの文学団体「硯友社」による回覧雑誌『我楽多文庫』である(同人誌参照)。これが作製されたのち、アララギ派の歌人が出していた『アララギ』、正岡子規や夏目漱石、高浜虚子が参加した『ホトトギス』など、さまざまな同人雑誌が創られた。これらの同人雑誌から多くの歌人や詩人、小説家などを輩出している。なお、当時の同人雑誌の会員のことを「同人」(たとえば、尾崎紅葉は「硯友社の同人」)と呼んでいる。この頃は、不特定多数へ販売されておらず、同人だけが読んでいた(書店によっては扱っていたところがあった)。歌道の同人は、結社を組織し、歌人はいずれかの結社に属するのが常態だった。書道や美術の同人は、短歌・俳句と異なり発表に雑誌を使わない場合もある。

漫画の同人
東京漫画会は1915年第1回漫画祭を発端に、新聞社に所属する漫画家らによって設立された日本ではじめての漫画家集団です。1923年第10回漫画祭を最後に、東京漫画会を解散し日本漫画会として再出発しました。東京漫画会同人十八名、東京美術学校出身の作家も多く含まれ、定期的に「漫画祭」と「漫画展覧会」を開催したその活動は報道メディアとしての漫画を民衆芸術として確立しようと行われたものでした。
同人誌とは
同人誌(どうじんし)とは、一般的にはアマチュアがオリジナルの作品や既存の作品を基にした二次創作を行い、それを印刷・製本したものを指します。
もっと簡単に言うと、同人誌とは自分の「好き」を一冊にまとめたもの。「同人誌」と言うと何となく漫画やイラストをイメージされる方が多いと思いますが、元々は同じ趣味や考え方をもっている人同士(同人)の間で、自ら資金を出して作成する本全般を指す言葉なので、漫画やイラストに限定されるものではありません。
同人誌の「同人」とは?
同人誌の「同人」とは、「同じ目的や趣味を持っている人」を意味します。この言葉が使われる背景には、共通の興味や価値観を持つ人々が集まり、自分たちの創作活動を共有するという理念が込められています。しかし、同人誌は必ずしもグループで作成されるもの(合同誌)ではなく、個人が単独で制作する(個人誌)ことも一般的です。
どんな作品が同人誌になるの?
同人誌には決まったジャンルはありません。漫画雑誌、イラスト集、小説、詩・エッセイ、評論・研究、写真集 など、自分の好きなものを自由に表現できるのが同人誌の特徴です。
同人誌の魅力
同人誌の魅力は何といっても「自由さ」。商業誌では難しいようなニッチなテーマや個人的な趣味、実験的な表現をしたい人におすすめです。また、同じ趣味を持つ人たちと作品を共有し、感想をもらえる点も大きな魅力です。創作の喜びをダイレクトに感じられる場として、同人誌は多くのクリエイターに愛されています。