亀頭のカビ 亀頭包皮炎について
亀頭のカビは亀頭包皮炎と呼ばれカンジダというカビが原因となる場合があり、亀頭患部に赤みやかゆみ、膿、皮むけ、魚の腐敗臭などの症状が現れます。
亀頭包皮炎の原因は?
ペニスの皮がむけずに亀頭を露出できない”真性包茎”の場合、包皮の内部を洗い流すことができないため、亀頭包皮炎を起こすことがあります。真性包茎では無い場合、亀頭包皮炎の多くは仮性包茎の方、すなわち普段は亀頭に皮が被っている方に起こります。
皮の被った亀頭包皮内は細菌が繁殖しやすい場所であり、特に疲れやストレスなどで免疫力が低下した場合に細菌の繁殖が生じ、炎症が起こります。原因の細菌は、多くの場合ブドウ球菌、連鎖球菌、コリネバクテリウムなどの皮膚の常在菌です。時に大腸菌や腸球菌などの腸内細菌、性行為を契機として口腔内細菌やカンジダと呼ばれる真菌(カビ)が原因で発症することがあります。
糖尿病のある患者さんは細菌に対する免疫力が低下する場合があり亀頭包皮炎を起こすことがあります。特に、SGLT2阻害剤と呼ばれる”糖を尿から排出し血糖を調節する薬”を内服中の方は、尿の中に多量の糖が排出され、細菌の繁殖が生じることで(糖は細菌の好物です)亀頭包皮炎や尿道炎・膀胱炎などの感染症を起こしやすくなることがわかっています。また亀頭包皮炎から隠れていた糖尿病が発見されることがあります。糖尿病の患者さんには、細菌だけでなくカンジダによる亀頭包皮炎をおこしやすくなります。
亀頭包皮炎の治療は?
多くの場合亀頭包皮炎の原因は細菌です。したがって、カンジダなどの真菌感染症を積極的に疑わない限りは、まずは細菌による亀頭包皮炎として治療を行います。症状が軽い場合には、抗生剤とステロイドの混合軟膏を1日に2回程度炎症部位に塗布することで治癒しますが、細菌が皮膚の深部に染み込んでいる場合や軟膏の抗生剤に耐性の細菌も多く、症状に応じて抗生物質の飲み薬を併用することがあります。
パートナーがカンジダ性膣炎を起こしている、白いカスが多量に付着していてカンジダによる亀頭包皮炎が疑われる場合、培養検査でカンジダなどの真菌が検出された場合には、抗真菌薬と呼ばれるクリームを塗ることで治療します。塗り薬で改善しない場合には抗真菌薬の飲み薬を併用することがあります。
亀頭包皮炎はしっかり治療を行えば、そう簡単には再発しません。しかしながら、時に再発を繰り返す方を経験します。再発を繰り返す場合には、仮性包茎の手術(環状切除術)をお勧めすることがあります。再発を防ぐ方法としては、毎日しっかり皮を剥いて亀頭包皮を手指で優しく洗い流うことが重要です。タオルなどでゴシゴシ擦ると細かい傷ができ細菌が繁殖しやすくなります。石鹸やボディーソープを用いても問題ありませんが、よく泡立てて短時間にしましょう。薬用石鹸などの刺激性の強い石鹸は用いない方が良いでしょう。強い石鹸で洗っても細菌をゼロにはできません。また性行為の直後は陰部をしっかり洗い流すことが大切です。
ペニスの血流について
ペニスへの血流は、内腸骨動脈の分枝である内陰部動脈が枝分かれして供給されています。内陰部動脈は、陰茎背海綿体、球部、尿道の各動脈となっており、海綿体動脈は海綿体内に入るとらせん状のらせん動脈となり、海綿体洞に注ぎます。
ペニスが硬くなり勃起するのは、海綿体内に血液が流れるためです。適度な運動を習慣的に行うことで、ホルモン分泌の促進や血流改善が期待でき、興奮時に勃起したときの血液の流入量が増加します。また、お尻の筋肉である大殿筋は、ペニスに近い位置にあり、下半身の血液を流す働きがあります。性行為の際にも大殿筋を使うため、鍛えることで、持続力がアップする可能性が期待できます。
一方、勃起不全の改善にはED治療薬の服用も効果的です。動脈硬化によって血流が悪化している場合でも、ED治療薬を併用することで一定の効果が見込めます。