ケーゲル体操で早漏対策
早漏と筋肉の関係は、骨盤底筋や射精に関わる筋肉の衰えが原因となる「衰弱性早漏」に深く関わっています。これらの筋肉を鍛える「ケーゲル体操」などのトレーニングは、射精のコントロール力を高め、早漏の改善に効果が期待できます。また、筋力トレーニング全般や有酸素運動は、テストステロンの増加を促し、早漏対策に役立ちます。

早漏と筋肉の関係性
- 衰弱性早漏:加齢や運動不足により、骨盤底筋や射精管閉鎖筋といった射精をコントロールする筋肉が弱まることが原因です。
- 筋肉の衰え:筋肉の衰えにより、射精のタイミングをうまく調整できなくなることがあります。
- 加齢との関連:特に40代以降の男性に多く見られますが、運動不足の若い男性にも起こり得ます。
筋肉を鍛えるメリット
- 射精コントロール:骨盤底筋を鍛えることで、射精のコントロール能力が向上します。
- 勃起力の維持:骨盤底筋(PC筋)のトレーニングは、勃起時の血流を維持しやすくする効果もあります。
- 快感の向上:球海綿体筋を鍛えることで、射精の勢いや快感の向上も期待できます。
- 全体的な健康増進:筋トレや有酸素運動は、男性ホルモンの分泌を促し、早漏の改善につながることがあります。
改善のための具体的なトレーニング方法
- ケーゲル体操(骨盤底筋トレーニング):
- 尿を途中で止める時のような、肛門や尿道を締める筋肉を意識します。
- 方法:
- 5秒かけてゆっくりと筋肉を締め、10秒間キープします。
- 5秒かけてゆっくりと力を緩めます。
- この動作を10回程度繰り返します。
- 全身の筋力トレーニング:
- スクワットなど、全身の筋肉を鍛えることで、血流の改善やテストステロンの増加に繋がります。
- 有酸素運動:
- ウォーキングなどの中強度の有酸素運動も有効です。
- まずは1日15分程度から始め、継続することが大切です。
その他の注意点
- 効果には個人差があります。
- すぐに効果が出ない場合もありますが、焦らず継続することが重要です。
- 効果が見られない場合や、早漏が深刻な場合は、早漏治療薬の使用も考慮されます。
- 専門家(泌尿器科医やオンラインクリニックなど)への相談も有効な選択肢です。
スクワットやブリッジと組み合わせる方法
骨盤底筋だけを動かすケーゲル体操に加え、大きな筋肉(下半身や背筋)を使う運動を組み合わせると、全身の血流が促進されやすくなり、早漏改善にもより高い相乗効果が期待できます。
おすすめはスクワットやブリッジです。
・スクワット:太ももやお尻の筋肉を鍛えつつ、骨盤の安定性を高める
・ブリッジ:仰向けで腰を上げ下げする運動。骨盤底筋や腹筋、背筋を総合的に刺激
これらの運動中も、肛門を締める意識を持ちながら行うとより一層効果が増します。
呼吸法と意識の集中がポイントになる理由
筋トレ全般に言えることですが、呼吸法と意識の集中は運動効果を大きく左右します。
骨盤底筋トレーニングでも同様で、呼吸を止めてしまうと血圧が急上昇したり、体に余計な力みが入ったりしがちです。
■呼吸のポイント
・息を吐きながら肛門や陰部を締める
・息を吸いながらゆっくり緩める
このように呼吸と連動させると、筋肉の動きを把握しやすくなります。さらに、「いま自分は骨盤底筋を鍛えている」という意識をしっかり持つことも大切です。意識が散漫だと、腹筋や太ももなど他の筋肉ばかりが働いてしまい、骨盤底筋のトレーニング効果が薄れます。
日常の動作と組み合わせたトレーニング例
時間を確保してじっくりとトレーニングできれば理想的ですが、忙しい日常では難しいケースも多いでしょう。
そこでおすすめなのが、日常動作と組み合わせる方法です。
・歯磨きや料理の最中:立った状態でかかとを少し上げながら肛門を締める
・信号待ちやエレベーターの中:背筋を伸ばしてケーゲル体操を行う
・寝る前や起床直後:ベッドの上で簡単なブリッジやケーゲル体操を実施
こうした「ながらトレーニング」を積み重ねることで、骨盤底筋は少しずつ強化されていきます。小さな積み重ねが大きな効果を生むため、意識的に取り入れてみてください。
骨盤底筋トレーニングを続けるためのポイント
トレーニングを習慣化する方法
筋トレ、特にケーゲル体操は回数自体は少なくて済むものの、毎日続けることが最大のカギとなります。
三日坊主で終わってしまうと結果が出にくいのは言うまでもありません。
継続するためには日々の生活の中にちょっとした工夫をしてみることをおすすめします。
・スマホのアラームやリマインダー機能を使って定期的に思い出す
・歯磨きや入浴前など、既存の習慣とセットにする
・無理のない回数から始めて、徐々に負荷を上げる
「1日3セット、1セット10回」という目標を決めたとしても、最初からハードにしすぎると挫折する原因になります。まずは1日1セットからでも良いので、確実に継続していくことを重視しましょう。
効果が出ないときに見直すべき点
骨盤底筋トレーニングを始めて数週間から数か月が経過しても効果を実感できない場合は、なにかしらやり方が間違っている可能性があります。
以下の点を意識しながら普段のやり方を見直して見てください。
- フォームと意識:本当に肛門や陰部周辺の筋肉に力が入っているか
- 呼吸法:息を止めていないか、筋肉への意識が散漫になっていないか
- 頻度と継続期間:週に数回だけで終わっていないか、十分な継続期間を設けているか
- 生活習慣:睡眠不足やストレス過多など、他の要因で筋トレの効果が阻害されていないか
早漏の原因は多用なので、骨盤底筋トレーニングだけでは改善しない場合もあります。
その際は、心因性やホルモンバランスなどの別の要素にも注意を払うことも必要です。
必要に応じて専門医に相談したり、生活全般を見直したりして総合的なアプローチを検討してみましょう。
早漏改善

早漏の改善にはさまざまな方法が提唱されていますが、骨盤底筋を中心とした「筋トレ」によるアプローチは、身体的な基盤をしっかりと強化できる点で大いに注目されています。射精コントロールには筋力や血流、ホルモンバランスなど多くの要因が関係しますが、骨盤底筋トレーニングを習慣化することで下半身のインナーマッスルが鍛えられ、早漏の改善や予防に繋がる可能性が高まります。
ケーゲル体操はシンプルな動作でありながら、骨盤底筋という重要な部位に直接アプローチできる効果的な方法です。慣れれば立ったままでも座ったままでもできるため、忙しい日常の中でも無理なく継続しやすい点が魅力です。
さらにスクワットやブリッジなどの筋トレと組み合わせることで全身の血流が向上し、男性機能をトータルで底上げする相乗効果が期待できます。ただし、早漏はメンタル面やホルモンバランス、生活習慣など複合的な要因が絡み合うケースが多いです。
骨盤底筋トレーニングだけですぐに効果が表れない場合もありますが、焦らずに継続することが肝心です。
同時に、ストレスコントロールや十分な睡眠、適切な栄養摂取といった生活習慣の見直しも取り入れるとさらに効果が高まるでしょう。
「とにかく早漏を何とかしたい」「筋トレで射精コントロールを身につけたい」と考えている方は、まずは骨盤底筋を意識する基本的なケーゲル体操からスタートしてみてください。小さな習慣を日々コツコツと重ねることで、大きな変化を実感できるはずです。
早漏は発症のタイミングで分けられる
早漏はいつ発症したかにより「終生早漏」と「獲得性早漏」に分けられます。
| 終生早漏 (生涯早漏:Lifelong PE) | 最初の性行為から早漏の症状が見られ、その後も改善していない早漏。 |
| 獲得性早漏 (後天性早漏:acquird PE) | もともと症状はなかったが、後からさまざまな原因により症状が現れる早漏。 |
終生早漏も獲得性早漏も、どちらも適切な治療により改善が期待できます。
早漏の原因と改善方法
早漏の原因は以下の3つに分かれます。
早漏の原因
- 心因性早漏
- 過敏性早漏
- 衰弱性早漏
それぞれの原因や改善方法について解説していきますので、それぞれ見ていきましょう。
心因性早漏
心因性早漏とは、不安やストレスなど心理的作用が原因となる症状です。
心因性早漏の原因
- 性行為に対する不安
- 過去の失敗やトラウマ
- 仕事や人間関係によるストレス
- パートナーとの関係の悪化 など
男性の性機能は原始的で本能的なイメージがありますが、実はとても繊細なメカニズムで動いています。
そのため「またすぐに射精してしまうのでは」などの不安や緊張から、精神的なバランスが崩れることで、早漏の症状として現れる場合があります。
心因性早漏には、以下の改善方法があります。
心因性早漏の改善
- 早漏防止薬の服用(ダポキセチン)
- ストレスの解消・トラウマの克服
- カウンセリング
- パートナーとの関係を改善 など
心や体がストレスで緊張や不安を感じると、リラックスした状態に多いとされる脳内物質セロトニンが不足すると言われています。そのため、改善にはセロトニンを充実させる治療が適しています。
当院で処方しているダポキセチンは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)と呼ばれるセロトニンの作用を増加させる働きがあります。ダポキセチンの詳細
過敏性早漏
過敏性早漏は、少しの性的刺激で射精してしまう症状です。
過敏性早漏の原因
- 亀頭や陰茎への性的刺激に不慣れ
- 運動する時間の長い方(アスリートなど)
- 普段から自慰行為が早い
- 亀頭が仮性包茎の状態 など
まだ年齢が若く性行為の経験が少ない方や、アスリートなど運動をする時間が長い方、包茎で亀頭への刺激に敏感な方に多く見られます。
通常、性的刺激を受け脳から陰茎へ勃起の反応が伝わりますが、過敏性早漏の場合は陰茎の神経が過敏になり、脳で性的刺激を処理する前に外部から受けた刺激のみで興奮してしまい、射精に至ります。
過敏性早漏の改善方法
- 仮性包茎の手術
- 早漏改善トレーニング(ストップ&スタート法)
- 厚手のコンドームの使用
- 早漏防止薬(MEGAMAXスプレー)
性行為の経験が増え、包茎の改善により性的刺激に慣れると、改善される場合があります。
すぐには難しいという方は、陰茎や亀頭に局部麻酔に使用される成分が配合された「MEGAMAXスプレー」を使用する方法もあります。陰茎や亀頭の感度を鈍らせることで、射精までの時間を長くさせます。MEGAMAXスプレーについて
衰弱性早漏
衰弱性早漏は、その名の通り加齢や運動不足による筋力の衰えが原因となる早漏です。加齢や運動不足になると、男性ホルモンが減少し体全体の筋肉が衰えます。早漏の場合、加齢が原因で射精管閉鎖筋(精子の出口を塞いでいる筋肉)が衰え、射精をコントロールできず射精までの時間が短くなります。
衰弱性早漏の原因
- 加齢・運動不足による筋力の低下
- 男性ホルモンの減少
- 勃起時の硬さが不十分 など
衰弱性早漏の場合、筋肉で精子を押し出す力も減少するため、射精時の快感が低下します。 主に男性ホルモンの分泌が低下してくる40~50代の男性に多く見られます。主に、男性ホルモンの分泌が低下してくる、40~50代の男性に多く見られます。この年齢の方は勃起時の硬さが不十分になり、刺激に敏感になるため早漏になりやすい傾向があります。
衰弱性早漏には、以下の改善方法があります。
衰弱性早漏の改善方法
- ED治療薬
- 早漏防止薬(MEGAMAXスプレー)
- 骨盤底筋(PC筋)を鍛える
勃起時の硬さが得られるED治療薬は、衰弱性早漏の改善に効果が期待できます。
過敏さを抑えるため早漏防止薬(MEGAMAXスプレー)の併用や、PC筋と呼ばれる骨盤的金を鍛える方法も併用して行うと効果的です。
早漏はEDと併発しやすい症状
EDの合併症として早漏が発症する場合が多く、EDになった方のおよそ3分の1が早漏を併発しているといわれています。早漏とED(勃起不全)は性機能障害の一種ですが、それぞれ異なるメカニズムにより発症する症状です。
ED(勃起不全)→硬さの不足、勃起しないなど満足な性行為ができない症状
原因としては、EDになったことへの不安や、勃起時の硬さ不足による性的刺激への過敏さが挙げられます。上記でも説明がありますが、EDと早漏の併発の場合、EDの治療を行うことで早漏の症状も改善する場合があります。
早漏防止薬のオンライン診療
早漏防止薬のオンライン診療にて、服用タイプのダポキセチンと外用タイプのMEGAMAXスプレーの処方を行っているクリニックがあります。お手元にスマホやタブレットがあれば、どこからでもオンライン診療を受けることができます。
早漏セルフチェック
- 早漏とは射精障害の1つで、自分の意思に反して早く射精してしまう症状
- 日本での早漏で悩む人は2023年の調査でおよそ910万人(4.3人に1人)
- 早漏には発症時期により「終生早漏」と「獲得性早漏」に分けられる
- 原因には「心因性早漏」「過敏性早漏」「衰弱性早漏」があり、適切な治療を行うことで改善に期待ができる
- 早漏はEDと併発することが多く、ED患者の3人に一人の割合で併発している
- 当院でも服用タイプと外用タイプの早漏防止薬を処方している
セルフチェック診断で気になる診断が出た方や、射精が早いことで性行為に満足できていない場合は早漏の症状の可能性があります。
